このコラムは、サイト開設よりはるか以前の2001年に作成されたものです。「今年」等の表記は全て2001年を指しておりますのでご注意ください。

Written by Suzuki on Date : 2001.8.25

2001年のラルクはあまり・・・ちゅーか全然動いてナイ、と思われる今日この頃。ところがどっこい、実は彼等は水面下で大胆とも言えるスゴイことをしていたのだ。彼等はなんと今年、現時点ですでに『5つの罠』を張っていたのである。

デビュー後から追いかけると長いので、とりあえず復活後から。

まず復活の年・・・97年
この年に名前を付けるならまさしく『目覚めの年』。まだ眠気まなこをゴシゴシ擦ってるような大人しさだった。
しかし、それで良いのである。このバンドは、焦って無理に動いて後々潰れてしまうような、頭の悪いバンドではない。
あの腹黒と悪名高いラルクアンシエルなのだ。

さて、その翌年・・・98年
この年に名前をつけるなら、それはもう『爆発の年』としか言いようがない。
リリースシングル枚数7枚、アルバム枚数1枚。出すもの全てがオリコン初登場1位を飾り、またそのリリーススタイルも、3枚同時に2週連続と超話題になったのは記憶に新しい。しかしそんな爆発ぶりも、すべては『復活』という話題があっての勢いによるところが大きかった。

さらに、その翌年・・・99年
この年は、彼等にとっては『遊びの年』。もはやラルクに敵なし、恐いものは無いのである。
リリースシングル枚数は4枚。それと話題を集めたアルバム2枚同時リリース。なにより遊びの象徴が、前代未聞の規模と場所で行われた初野外ライブツアー。まだまだ前年の勢いを引き継いでるフシ有り。

そろそろ『復活』の勢いは衰え、バンドの真価が問われ始める3年目・・・2000年
この年を呼ぶなら、それはまさしく『実力の年』であった。1月にシングル1枚をリリース(オリコン初登場1位)して以来、勢いが衰える以前に、自らパッタリと動かなくなったラルク。誰もがオイオイと思いかけたその半年後、ついにリミックスアルバムを1枚リリース。リミックス集でオリコン初登場4位はさすがのもの。
とは言え、所詮は4位である。ラルクが初登場で収まっていて良い位置ではない。
そしてその翌月、ついに待望のニューシングル【STAY AWAY】をリリースする。

が、しかしッ!!!

それも初登場1位は取れずに(ラルクを押さえて1位の座についたのはGLAYの【MERMAID】)、
「ヤバイんでねぇの?」な雰囲気をかもし出したあたり、ラルクの演出は大成功だったと言える。

そう、なぜなら彼等はあまりシングルを重要視していないのである。
というのは、昔からアルバム売上&ライブ動員数に比べて、何故かシングル売上だけがやたらめったら低い伸びない何故だろう・・・という事実に、体質として慣れてしまっていると見える。

つまりは、その翌月リリースされた最新オリジナルアルバムに全てを賭けていたのだ。
見事、目論みは大成功。アルバム【REAL】は2週連続でオリコン1位に輝き、半年間全く動きを止めて自ら勢いを消したラルクの真の実力が『勢いだけじゃなかった』と世に言わしめた瞬間であった。
それをさらにダメ押ししたライブハウスツアーと、ドームツアー・・・完璧なる締めくくりである。

そんな確かな実力を十分に見せ付けたアーティストが次に打ち出さねばならないモノが、『新たな魅力』である。
そしてようやく今年・・・2001年。今年を名付けるなら、それは『罠の年』なのである。

さて、ここからが本題。

罠 その1

罠その@、それは大胆にも前年(2000年)の暮れの超国民的テレビ番組『NHK紅白歌合戦』に仕掛けられていた。決してあの演歌界の大御所サブちゃんこと北島三郎氏とモメたことではない。
罠とは、この時のメンバーの出演衣装である。

この時のメンバーの衣装を覚えているだろうか?
ケン氏は上下黒のタイトスーツ。以前雑誌でも同じ格好をしていたことがあるので、不自然ではないにしろ、最近の『チャラチャラケンちゃん』にしては珍しい傾向である。ユキヒロ氏も同じく黒スーツ。彼はTVや雑誌でもたまにモード系の濃色タイトスーツを着てたりするので、ごく自然ではある。

そして何より注目すべきは!!

・・・リーダーことテツ氏である。最近髪も黒くなってファッションが大人しくなったとはいえ、く・・っ黒無地のタイトスーツっすかッ!?数年前の某事件直後に唯一登場した某音楽雑誌で、ケン氏とハイド氏が『黒スーツ』という何の変哲も無い非常に控えめな衣装で揃えていた中、テツ氏だけストライプの色柄スーツ着てたんじゃなかったっけ?
そんな彼までもが揃って黒スーツなのである。(細か〜いストライプ&胸元になにやら飾りはあったけども)
ここまでだと、まるで一昔前のGLAYではありませんか。

でもグレイとは違う、彼らはラルクなのだ。

その均衡をぶち壊していたのが他でもない、ハイド氏 だった。
ハイド氏はインナーは黒のシャツ、パンツも黒ではあったが、その上から羽織っていたモノは黒スーツとは程遠い・・・
引きずるんじゃなかろうか?というほどの超ロングのふわっふわ真っ白ゴージャス毛皮コートを羽織っていたのである。

お気付きだろうか?
他3人が真っ黒衣装なのに対して、ハイドだけが真っ白衣装(2001年ヴァージョンは金髪ドレッド)。

・・・そう、これはまさしくデビュー当初のファッションコンセプトなのだ。
ここ数年、ハイド氏は『白』という自分のイメージをぶち壊すことに頑張っていたようであるが(各方面のメディアで「血迷ったか?」とも思える奇抜カラーの衣装を着用しまくっていた)、どうしてここにきてあのカラーに戻ったのか、鈴木はずーっと謎であった。

それが彼等の2001年一発目の【罠】であったことに気付くのは、かなり後のこととなる。

とにかく、彼等のその罠に見事ハマってしまった鈴木のような人間は、否が応にも翌年(2001年)のラルクの動向を、
様々な予測と推測を立てながら注目してしまうのである。

彼等にしてみれば、翌年に向けて実にシテヤッタリな2000年締めくくりであったのだ。

罠 その2

ひとつめの罠にハマり、2001年のラルクの動向に注目していた人間はここで大きく困惑する ことになる。
なぜなら彼等は動かない。まだ動かない。やっぱり動かない。どうして動かないッ!?

無常にも時は過ぎ・・・、そして気付けば早3月。
そんな我々の耳に飛び込んできたのが・・・【シングルコレクション】リリース情報である。

ここで、ひとつめの罠にハマっていた人間は、不穏な推測に駆り立てられるのだ。

去年の締めくくりに、なぜかデビュー当初のカラーコンセプトであの大衆的年越し番組に出演したラルク。
そしてベスト盤とも称されるシングルコレクション・・・オイオイオイオイッ!?
それは美しきかな、解散への花道そのものであった。

2つ目の罠は他でもない、長きに渡る沈黙の末、この【シングルコレクション】リリースという決定打による
『解散騒動』である。

この決定打のおかげで、せっかく1つ目の罠にかからなかった幸運な人間も、否が応にもラルクに注目するハメになる。
1つ目の罠にかかってしまっていた鈴木のような人間なら尚更だ。

後々、このリリースに関してハイドの口から『そろそろシングルをまとめておこうと思った』という、
至極あっさりとしたコメントが出され、あっけなく解散騒動は幕を下ろしたが、3つ目の罠はその噂が鎮まった直後に仕掛けられていた。

罠 その3

「解散か!?解散なのか!?」と、いまいち不安を拭い去れない世間に対し、
彼等はまさに『休みたぁ〜い』絶頂期。その双方の希望を叶えるべくリリースされたのが、去年のライブハウスツアーの模様を収めた【REALIVE】ビデオ並びにDVDリリースであった。

彼等は特に自分達が表に出てプロモーションするでもなく、相変わらず長いお休みを謳歌し、不安に駆られていたファンは、あの完成度の高い映像集に安堵の溜息をついた。やはり、本人達の姿を見れば少しは解散の不安は拭い去れるものである。単なるライブシーンにしか過ぎない映像集を、あれだけアーティスティックに完成度高く創り上げられるラルクだ、まさかまだ解散なんぞするハズがない・・・、と。

3つ目の罠は、2つ目の罠で仕掛けた『解散説』を沈静化することにあった。
ゆえに、『ライブ後興奮冷めやらぬうちにすぐ発売』が常識のライブビデオが、実際のライブから8ヶ月後という異例のかたちでのリリースになったのだろう。(最低でも『半年以内』が音楽業界の常識的戦略である)

そう、ここで「なぁ〜んだ、解散なんかしねぇじゃん」と安心しきった人間・・・つまりはことごとく罠にかかってしまう鈴木のような人間は、次に仕掛けられた罠にこっぴどく痛い目に遭うのである。昔から思っていたが、奴等は本当に
サド体質なバンドだと思う。鈴木が「腹黒!」を連発するのも納得いただけるだろうか?

罠 その4

解散騒動が収まったのも束の間、我々の耳に飛び込んできたのはなんとメンバーソロ活動情報
さらに驚くべきことに第一弾として動いたのはリーダー・テツ氏
『TETSU69』として、マキシシングルをリリースするというじゃありませんか。

当たり前に、ファンとしては気が気じゃない。
やっと鎮まったした解散騒動を再発させ、なおかつ活性化する気か!?と叫びたくなったはずだ。

4つ目の罠とは、言わずもがな始まったこの『メンバーソロ活動』である。
この4つ目の罠は、解散騒動が収まって安心してしまったファンの注意を引き寄せ続け、なおかつ新たなメンバー個々のファンを獲得しようという、一石二鳥のトリッキー・プロジェクトだったのだ。
これまた罠にハマった人間は、ラルクの真の目的を知るべくリーダーのCDを買い、そうではない一般の人間もまた「『TETSU69』って誰じゃい?」とCDを手に取ってしまうのであった。

ちなみに鈴木の知り合いは後者のパターンにハマった『ラルクを知らないテツファン』という、このプロジェクトの大成功を裏付けた貴重な人物である。

・・・と、ここで5つ目の最後の罠に行く前に、今までの4つの罠を見返してほしい。
『解散説』まで煽り彼等が一貫して目的としてきたこと、それは『注意を引くこと』にある。

これが何を意味するのか?それは・・・

「これだけ引っ張ってきた世間を満足させる作品を近々発表します」

と言っているようなものなのである。

ここで、これに気付いてしまった鈴木は、恐らく5つ目の罠にかかる前に、もう1つの『見えない罠』にハマってしまっていたのであろう。要は、これは【罠その 4.5】である。つくづく鈴木は彼等の腹黒戦略にハマるタイプらしい。

罠 その5

そしてあれよあれよという間に8月。もうすぐ9月である。
『TETSU69』シングルリリース発売からその間、様々な情報が飛び交った。
テツの次はユキヒロがソロシングルリリース、さらにはハイドもレーベル設立から発売まで・・・。

そして、一番の目玉情報がついにそのベールを脱いだ。
1年2ヶ月ぶりのニューシングル、【Spirit dreams inside -another dreams-】リリース情報である。

ここで、先ほどの【罠その 4.5】にハマってしまっていた人間は、「おぉ!!ついに大作完成か!」と喜びに震えるわけである。何故なら、情報によればそれはハリウッド史上初フルCG映画タイアップと言うではないか。
しかもエンディングテーマソング!?これはスゴイ、スゴ過ぎるぞッラルク!!
あの【浸食 〜lose control〜】からずいぶんスケールアップしたものだ!

さぞかし大作なんだろうなぁ・・・と、ついに音源を聴く機会を得た鈴木は、そりゃ〜もう期待に胸膨らませてその音を聴いたわけである。

【Spirit dreams inside -another derams-】鑑賞中

「・・・はぁ・・・・・・・・」

思わず溜息をついた。確かにラルクサウンド、乾いた感じの音なんかハイドらしいと思う。ギターもシンプルながら厚みのある重ね方でイイ感じ。ベースも歌ってる歌ってる。ドラムも最初のタム回し、最高ッス。ハイドのヴォーカルも音域の広さを見せ付けてますね・・・とは、思いました。イイ曲です。

だがしかーしッ!!

あの時ついた溜息は、「はぁ〜イイわ〜・・」ではない。活字にするなら、
「はぁ〜・・・、あ?でもどうして?」である。
ヒトコトで言ってしまえば、あれだけ引っ張ってきた割にはインパクトに欠ける曲だったのだ。
そんなモヤモヤが1ヶ月しばらく鈴木の中に渦巻いていた。

そして8月23日深夜。
某音楽番組にて「【Spirit dreams inside -another derams-】のPVが初フルOA!」との情報に、眠い目を擦りながらテレビを見ていた鈴木は、一瞬にして眠気も吹っ飛ぶ体験をするのである。

初めてそのPVを見て鈴木は、この新作【Spirit dreams inside -another derams-】までもがまたしても巧妙かつ狡猾に仕組まれた『罠』であることを確信したのだ。そのPVとは、本人達が一切出演してない映像だった。それだけではない。
終始『ファイナルファンタジー』なのである。

本来プロモーションビデオとは、その曲の世界観を映像にしたモノが常のはず。
ラルク本人達も普通のアーティストより、その方程式の認識が低いにしても、だ!!

(ラルクは世間的に『毎度何かしらのプロモーションを吹っかける破天荒バンド』のイメージがある為、
必ずしもその曲の世界観を完全再現・・といったPVというわけでもない。※例:【STAY AWAY】の踊るラルク)

話は戻って、いや〜あの逸脱ようは半端ではないぞ。あれじゃ6億円が泣くって。
あれでは、まさしく映画【ファイナルファンタジー】のプロモーションビデオじゃないか。

つまり、5つ目の罠はこの【Spirit dreams inside -another derams-】 すらも、
これだけ引っ張ってきた世間を満足させる作品ではなかったということだ。

彼等はこの『ハリウッドタイアップ曲』を、これ以上ない『注目を引く為の罠』として世間に仕掛けた・・・、と考えるのが一番適当だろう。なんたって腹黒大胆ラルクさんのするコトですから。この5つ目の罠にまたしても引っ掛かってしまっている鈴木のような人間は、次にリリースされる作品にこれまた否が応にも注目してしまうのだった。

ここで、ちょっと推測を立ててみた。

この2000年の最後から一貫して『注目』を目的に仕掛けられてきた罠が・・・
ラルクの作品以外の為のものだったら?

となると、まだ未解禁のハイド氏のソロ曲、未発表のケン氏の動向に注目が行くのだが、そうなるにはもうちょっと手元に根拠となるネタが欲しいところ。


以上、お粗末さまでした。