01. LORELEY
02. winter fall
03. Singin' in the Rain
04. Shout at the Devil
05. 虹
06. birth!
07. Promised land
08. fate
09. milky way
10. あなた
birth!

なぜ【birth!】?

そう思われた方も多々居るかと思いますが、鈴木はこの曲が大好きです。でも、いまいちマイナー色濃厚なこの曲。
アルバムの真ん中曲ってのもありますが、人によってはインパクトが薄い、と思われなくもない(笑)。

某雑誌のレビューから言葉を借りれば、この曲は『強烈な覚醒曲』だそうで。

なんと言っても、キーワードは『目覚め』である。
タイトルから深読みすれば、それは生まれ変わりであったり、再出発だったり、夢の実現だったり、そんな意味合いも含まれてるように思う。まさに、【HEART】というアルバムに収録されるべくしてされたと言うか、実に『再び目覚めたラルク』らしい、ピチピチイキイキとした活気がみなぎってる曲なのだ。

そんな【birth!】が、今ひとつ目立たないのはズバリ!

サウンドによるところが大きい。

そう、この【birth!】という曲、サウンドが実にシンプルなのだ。目立つ音といえば、ギター、ベース、ドラム・・・まさにバンドの音のみ!!わずかに要所要所でシンセが入ってくるのだが、骨となっているギターとベースも、Aメロを構成するコードは、たったの2つ。それが、ギター&ベースと・・・揃って同じテンポで動くのである。

音が少ない上に、それら数少ない音はひとつの塊となって決して砕けない。

それが、サビにて一転。あれだけの塊を成していた音が、途端に弾け飛ぶように散らばる。
なんなんだろうか?この『キラキラ感』は。

まぁそんな具合にヒトコトで言ってしまえば、この曲は音数が極端に少ない。それ故に・・・

音数が少ない=静か=地味=目立たない

・・・という魔の方程式が成り立ってしまいそうなのだが、それを阻止するのがハイド氏の歌声だった。

ハイド氏の歌声。
この曲、案外キーが低いのだ。カラオケで歌ってみればよく分かる。
上記の『魔の方程式』に、『低い歌声』を付け足してみよう。

ますます『目立たない度』がアップされるッ!?

ところがどっこい、カラオケでこの曲を歌おうものなら、出だしの低さに油断した者は確実にラストの「♪realize realize realize〜」のリピート部分で痛い目を見るだろう。ズバ抜けて高いわけではない。ないのだが。ハイド氏お得意の中高音が怒涛の如く繰り返されるのである。

そう、『ハイド氏の中高音』。コイツがクセモノだった。
何故かハイド氏の中高音(声)というのは、ただそれだけで、たとえどんなに音数が少なかろうと、メロディが暗かろうと、テンポが単調だろうと、その曲を【ゴージャスにしてしまう力】があるらしい。

先ほどチョロっと漏らした「なんなんだろうか?この『キラキラ感』は」の正体は、サビにて突然低音から中高音にピョーンと跳ね上がったハイド氏の歌声がもたらした特殊効果だったのだ。

・・・なんだかサウンド面ばかり語ってますが、鈴木はこの曲は歌詞が好きだ。
どこがイイのかって?あのですね、鈴木は『愛』という歌詞がある曲って、大概「はぁ〜ずかすぃ〜ッ」ってなってマトモに聴きゃしないんですが(笑)、この曲は例外。

「♪〜受ける風と ともに枯らぬあらゆる愛を〜」

「あらゆる愛」ですよ。
ハイ、ちょっと口に出してリピートしてみてください。

「 あ ら ゆ る 愛 」

なんか違和感、ありません?こんな言い方する歌詞、あんまりナイですよ。
HIPHOPとか、韻を踏んだり手の込んだ歌詞に使われるなら有り得そうですが。なぜか鈴木はこのワンフレーズに、妙に日本語の情緒を感じてしまう(笑)。ホントにね、『愛』って日本語歌詞は好きじゃないんですよ。なのに『あらゆる』という独特な日本語がプラスされただけで、全く別物のような言葉になる。響きだけじゃなく、内容的にも大幅に抽象化されて、「はぁ〜ずかすぃ〜ッ」とはならない。

ちなみに、鈴木がこの曲の歌詞で気に入ってるフレーズは、「細胞の群れが 意識を持った」と「裏の裏に潜む盲点に 気付いただけさ」だったり。(あら、2つとも同じメロのトコじゃないか)

シンプルなサウンドに、ゴージャスな歌声。直接的な言葉ながら、情緒漂う不思議な歌詞。

アルバム【HEART】の6曲目に潜む、隠れた名曲。

fate

何気に鈴木が一番好きなんじゃなかろうか?と思ってる曲です。
あぁマジ最高、重低音が気持ち良過ぎよ〜。

きっかけはこの曲から始まった、ケンちゃんの『マイナー&ミドルテンポ曲』の流れが鈴木は大好きだったんですよ。なのに周りに『暗い』と言われて続けて、【NEO UNIVERSE】で無理やり終止符を打たれたのが、鈴木は悔しくてなりません。

いいじゃないかッ暗い曲ばっかだって!!

あと、それぞれの単語の語尾で、ハイドの歌う音程が微妙に下がったり上がったりするのがたまらんです。
どうも鈴木は微妙な音程を『外してる』ように聴こえなく歌える人が好きなようです。だからラルクの歌は一般人(特に男)が歌うとショボくなるっつーか、べた〜っとするっつーか、ヘタクソにしか聴こえないっつーか・・・(←言い過ぎ)

要は難しいんだな。

付け加えて、この曲の音域の幅広さといったらまぁースゴイ。
女が歌うには出だしは低いわ、男が歌うにはサビは高ぇわ・・・ハイドの音域の広さがよく分かる一曲。
『カラオケで歌えない曲=売れない』の常識に捕らわれずに、微妙〜な音程の曲や、英語詞の曲や、よく意味が分からん詞の曲ばっか出し続けるラルクが鈴木は大好きです。

あなた

衝撃的だった事件の鎮魂歌(レクイエム)と言われた【虹】を収録したアルバム【HEART】のラストを飾る壮大で美しいナンバー。前作【True】のラストナンバーである【Dearest Love】を上回る量のオーケストラが盛り込まれたこの曲の厚みと広がりは、まさしく『圧巻』である。

アルバム【HEART】は、時期的に非常に難しいアルバムだったはずだ。
事件後の活動休止期間を経て、彼らがどんな形のアルバムを世に放つのか。
その内容は鎮魂歌であり、現在の姿であり、未来への挑戦意欲であり・・・。たった一枚のアルバムが持つその意味には、言葉では語り尽くせないほどのありとあらゆる想いが込められていたのだから。

そんなアルバムのラストナンバーには、全ての悲しみや苦しみを受け入れた上で、優しい光に照らされて新しい道を歩いていこう・・・という、力強い決意と感謝を歌ったなんとも彼等らしい曲が配されていた。

穏やかながらも力強い。
静かながらも激しい。
切ないながらも優しい。

本当はいつものようにひとつひとつの楽器の音を拾って、歌詞を解析して・・・と細かいレビューをしようと思ったのだが、久しぶりに聴いたら全くそんな気は失せた。この曲は構成やテクニック云々では説明できない素晴らしさがある。

 『音楽』は人間の精神とともに進化する。

 神の存在を創造した人間は、神と交信するための音楽を創り、
 森を削った人間は、森の精霊へ感謝の音楽を捧げた。
 国を創った人間は国歌を定め、同士を喪った人間は鎮魂歌(レクイエム)を奏で、
 子を授かった人間は、子守唄を歌った。

 いつの世でも音楽が誕生する起因には人間の精神があり、
 音楽が人間の精神の安定をもたらすのだ。

・・・というのは鈴木の音楽に対する勝手な思想なんですけど、いまだにライブのラストナンバーは【Pieces】ではなく
【あなた】を望む声が多いのも、本曲が本当に様々な『人間の精神』に触れている曲であるからだろう。